海外旅行や留学、出張など、日本を出て他の国へ行くときに欠かせないのが「パスポート(旅券)」です。でも、「はじめてのパスポート、どうやって作ればいいの?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、初めてパスポートを作る方に向けて、手続きの流れ、必要な書類、受け取りまでの日数、注意点などをわかりやすく説明します。
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パスポートとは?
パスポート(正式名称:旅券)は、日本政府が発行する「海外での身分証明書」です。外国に渡航する際、このパスポートがないと出入国ができません。
顔写真付きで、氏名・生年月日・国籍・本籍地などが記載されており、トラブル時にも身分や国籍を証明する重要な書類です。
パスポート申請方法は2通りあります

パスポート窓口申請
✅ 方法①:窓口での申請(一般的な方法)
✅ 方法②:スマートフォンからのオンライン申請(対応条件あり)
この2つの方法にはそれぞれ特徴と条件があります。以下で詳しく解説していきます。
【方法①】窓口での申請
▶ 対象
・初めてパスポートを作る人
・戸籍の変更がある人(婚姻・転籍など)
・12歳未満の子ども
▶ 申請場所
住民登録をしている都道府県の「旅券窓口」「パスポートセンター」など。市役所や合同庁舎の中にあることが多く、都道府県の公式サイトで確認できます。
⚠️ 都道府県のパスポート申請詳細は、この記事の最後に公式サイトへのリンクを記載しています。
▶ 必要な書類
・一般旅券発給申請書(窓口にあり)
・戸籍謄本または抄本(発行後6か月以内)
・本人確認書類(例:マイナンバーカード、運転免許証)
・パスポート用写真(縦45mm×横35mm)
▶ 写真の注意点
・無帽、無背景、正面、6か月以内に撮影したもの。
眼鏡・髪の影・笑顔など、条件に満たない写真は却下されることもあるため、写真館で「パスポート用」と伝えると安心です。
▶ 窓口申請の流れ
- 必要書類を準備して、旅券窓口へ行く(本人が出向く必要があります)
- 書類を提出し、内容確認・申請
- 申請後、受付票(受領証)を受け取る
- 約2週間後に受け取り(後述)
- 本人が再度窓口に行き、パスポートを受領する(受領証と手数料が必要)
🆕 発行までにかかる時間について(2025年以降)
令和7年(2025年)3月24日から、セキュリティを強化した新しいパスポートの発行がはじまりました。
これにより、すべてのパスポートは国立印刷局で一括で作成される方式に変更されています。
▶ 発行までの期間が 「約2週間」 に延長されました!
上記の理由からパスポートの発行までの日数が、10営業日前後(約2週間)かかるようになっています。
大型連休や夏休み前などはさらに遅れる可能性があるため、できるだけ早めに申請しましょう。
【方法②】オンライン申請(新規申請も可能に!)

パスポートはオンライン申請が可能
▶ 対象
・初めてパスポートを取得する方
・すでにパスポートを持っている方の「更新」
・「記載事項変更」や「紛失による再発行」など一部のケース
⚠️ 初めてパスポートを作る人もオンライン申請が可能となりました。
▶ オンライン申請に必要なもの:
・マイナンバーカード(有効な署名用電子証明書付き)
・対応スマートフォン(NFC対応機種)
・マイナポータルアプリ
・顔写真(スマホで撮影・条件を満たす必要あり)
▶ オンライン申請の流れ:
- スマホに「マイナポータルアプリ」をダウンロード
- マイナンバーカードを使ってログイン
- 申請内容の入力と顔写真、自署サイン(後述)のアップロード
- 旅券窓口からメール通知が届く(交付準備完了)
- 指定された窓口で受け取り(本人が行く必要あり)
▶ オンライン申請のメリット:
・スマホで24時間いつでも申請できる
・窓口の待ち時間・書類記入が不要
・写真も自宅で撮影可能(条件あり)
・費用が割安になる(後述)
▶ 注意点:
・写真の規格が厳しく、スマホ写真は失敗しやすい(スマホアプリで撮影するか、写真館で撮影したデータをアップロードする。推奨:写真館)
・自署(自分の手書きサイン)は、白い紙に書いたものが必要。サインをアプリ内カメラで撮影するか、あらかじめ撮影しておきデータをアップロードする)。
・一部の手続き(初回申請、氏名変更など)はオンライン申請不可
・受け取りは必ず本人が窓口に行く必要あり
パスポート発行の費用(2025年現在)
【窓口での申請費用】
有効年数 | 手数料 |
一般旅券(10年) | 16,300円 |
一般旅券(5年) | 11,300円 |
一般旅券(5年) 12歳未満 | 6,300円 |
【オンライン申請費用】
有効年数 | 手数料 |
一般旅券(10年) | 15,900円 |
一般旅券(5年) | 10,900円 |
一般旅券(5年) 12歳未満 | 5,900円 |
※支払いは、パスポートを受け取るときに「収入印紙+都道府県収入証紙」の形で行います。旅券窓口で案内があります。
子どものパスポート申請について
12歳未満の子どもも、海外に行くにはパスポートが必要です。年齢にかかわらず1人1冊必要で、保護者の旅券に“同伴者”として記載するような制度はありません。
▶ 必要なもの
・申請書(窓口またはオンライン)
・戸籍謄本または抄本
・本人確認書類(健康保険証や母子手帳など)
・保護者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・顔写真(乳児でも必要です)
最近では、赤ちゃんの撮影にも対応した写真館が増えています。
背景が単色で顔が真正面を向いていることが大事なので、家庭での撮影は難しい場合もあります。
▶ オンライン申請も可能
2025年より、保護者による代理申請で子どものパスポートをオンライン申請することも可能になりました。
マイナンバーカードとスマホがあれば自宅で手続きができますが、受け取りは必ず子ども本人と一緒に窓口に行く必要があります。
パスポートの有効期限と更新
パスポートには有効期限があり、以下のように分かれています:
・20歳以上:10年または5年を選択可能
・20歳未満:5年のみ
▶ 更新(切替申請)のタイミング
パスポートの有効期限が1年以内になると、更新(切替)ができます。
ただし、国によっては「残存有効期間が6か月以上」ないと入国できない場合があるため、海外旅行を控えている人は早めの更新をおすすめします。
▶ 更新もオンラインで可能
現在のパスポートを持っていて、記載内容に変更がなければ、更新(切替申請)もオンラインで対応可能です。
マイナンバーカードを使って自宅で申請し、あとは受け取りに行くだけなので、忙しい方には特に便利です。
よくある質問(Q&A)
Q. パスポートをなくした場合はどうすれば?
A. すぐに警察に紛失届を出し、その上で旅券窓口にて「紛失一般旅券等届出書」と再発行の申請を行います。オンライン申請はできません。
Q. 申請中に海外に行く予定がある場合は?
A. パスポートの発行には約2週間かかります。すでに海外渡航が迫っている場合は、旅券窓口で「緊急旅券」など特例が適用できるかを相談してください。
Q. 海外でパスポートをなくしたら?
A. 現地の日本大使館・総領事館で「帰国のための渡航書」を発行してもらえます。その後、日本に戻ったら再発行手続きを行います。
まとめ:パスポート申請は「早めに・自分に合った方法で」
パスポートは、海外へ出るための「国際的な身分証明書」であり、旅の第一歩です。
マイナンバーカードがあれば、新規申請の場合でも、オンラインで自宅から24時間申請可能になりました。(2025年より)
どちらの場合でも、パスポートの受け取りは本人が窓口に行く必要があります。
どちらの申請方法を選ぶかは、状況や環境によります。スマホ操作に不慣れな方は窓口が安心ですし、忙しい方や遠方の方はオンライン申請がいいでしょう。
おわりに
「いつか海外に行きたい」「留学するかもしれない」「いざという時のために持っておきたい」――そう思った今が、パスポート取得のベストタイミングです。
パスポートは、あなたの世界を広げるカギです。
この記事が、その第一歩をスムーズに踏み出すお手伝いとなれば幸いです。