公営住宅と呼ばれる住宅(団地)には、県営住宅と市営住宅(町営・村営住宅)があります。このふたつには、どのような違いがあるのでしょうか?
体験談もふくめながら説明します。
県営住宅と市営住宅の違いとは?
県営住宅と市営住宅(町営・村営住宅)は、どちらも公営住宅ですが、どこが違うのでしょうか?
県営住宅と市営住宅の違い
県営住宅 | 県が貸している |
市営住宅(町営・村営住宅) | 市町村が貸している |
どちらも低所得者向けの賃貸住宅(公営住宅)ですが、県営住宅は「都道府県」が貸主で賃貸業務を担当。市営住宅(町営・村営住宅)は「市町村」が貸主で賃貸業務を担当しているのが大きな違いです。
ほかに違いはあるの?
物件数が違う
県営住宅と市営住宅(町営・村営住宅)ともに、事前に希望の住戸に応募して、抽選にあたると入居することができます。
県営住宅と市営住宅(町営・村営住宅)を比べると、県営住宅のほうが物件数が多い傾向にあります。
抽選があることを考えると、県営住宅のほうが募集住戸が多いので入居しやすいかもしれません。
募集時期・回数が違う
県営住宅と市営住宅(町営・村営住宅)は、都道府県や市町村により、募集時期はさまざま。そして1年間におこなわれる募集回数も違います。
多くの都道府県では、県営住宅は、年に4回。市営住宅(町営・村営住宅)は、年に1~2回の募集をおこなっていることが多いようです。
募集回数や時期は、各都道府県、市町村によってばらばらです。
また、市営住宅(町営・村営住宅)は、物件数が限られていることから空き室がなく、募集自体がない年もあります。
内見ができるかできないかの違い
内見の有無は、各都道府県、市町村ごとに違います。が、募集住戸が多い県営住宅は、内見できないことが多いようです。
体験談
メモ
【ペンネーム春鹿さんの場合】
奈良県営住宅(団地)と自分が住む市の市営住宅(団地)のどちらかで部屋を借りたいと考え、いろいろ調べてみた。
県営住宅は年に4回の募集で、毎回住戸数が多かった。市営住宅は自分が住む市では、1年に1回の募集。募集住戸は、2部屋のみと少なかった。
募集に関するパンフレットを見たかぎりでは、入居条件や応募から入居までの手順は、どちらもよく似ていた。
ただ、違う点もあった。
県営住宅の場合。事前にわかるのは「DK4.5畳 6畳 6畳 風呂釜 給湯設備二か所」などの情報のみで、部屋の内見はできなかった。間取りも不明。
都道府県によっては、募集時に間取りが公開されていることもあります。
市営住宅は内見の日が設けられており、当日直接行って部屋を見ることができた(予約不要)。
内見会に行くと、現場に市役所の人がいて自由に見学できた。間取りや風通し、トイレ、風呂、収納、ベランダ、窓からの眺め、周辺環境などを確認できるのはよかった。
ただ、募集住戸2部屋に対して見学の人が次々に来ていた。そのようすを見て、競争率が高そうだなと思った。(以上、聞き書き)
県営住宅と市営住宅の入居条件は?
所得の上限
県営住宅や市営住宅(町営・村営住宅)は、住宅に困っている(住宅困窮要件といいます)低所得者のためのものです。そのため、収入の上限が決まっています。(収入案件といいます)
メモ
世帯の収入月額が158,000円以下⦅高齢者世帯や障がい者世帯などは214,000円以下⦆であること
逆に下限はありません。応募時点で、無職・無収入(0円)でも申し込みが可能。低年金・生活保護でも大丈夫です。
居住実態
各都道府県、市町村により居住実態の条件は、違うようです。
その県や市に居住しているだけでいい場合もあれば、「一定期間(半年以上など)住んでいる状態である」こと、または「勤務している」ことが条件になることもあります。(在住・在勤要件といいます)
また、自治体によっては、「在住・在勤要件」に関係なく、申し込みが可能な場合もあります。
メモ
【ペンネーム春鹿さんの場合】
奈良県の県営住宅は、居住期間の指定はなく、その県に住んでさえいれば申し込めた。
自分が住む市域の市営住宅は、その市に「半年以上」住んでいることが条件になっていた。(以上、聞き書き)
持ち家がないこと
県営住宅と市営住宅(町営・村営住宅)は、住宅に困窮(困っている)人のためのセーフティーネット住宅としてもうけられた賃貸住宅です。
そのため、持ち家(不動産)がある人は、応募できないことになっています。
持ち家を処分したあとなら、応募できます。
問い合わせ先は?
県営住宅の募集時期などに関する情報は、居住する都道府県のホームページ、市営住宅(町営・村営住宅)に関する情報は、居住する市町村のホームページで見ることができます。
募集時期になると役所でパンフレットが配布されます。もよりの役所の「建築住宅課」などでもらうことができます。※パンフレットは、募集期間中のみの配布です。
まとめ
県営住宅と市営住宅(町営・村営住宅)の違いについて紹介しました。
県営住宅や市営住宅など、公営の賃貸を借りるのは、抽選などもあることからハードルが高く感じることもあるかもしれません。が、ひとつひとつ確認しながらすすめていけば大丈夫です。
参考にしてみてください。
--------------------------------
条件があわずに県営住宅に応募できない場合は?
世帯の所得が15万8千円を超過するなどで、県営住宅入居の条件にあわない場合は、広めの間取りで比較的家賃が割安な「UR賃貸住宅」や「ビレッジハウス」などを検討してみるのもいいでしょう。「セーフティネット住宅」「公社賃貸住宅」で検索してみるのもおすすめです。
ビレッジハウスは、2万円台の家賃で2DK~3DKの部屋に住める民間の賃貸住宅です。抽選がなしですぐに入居可能。敷金・礼金・更新料なし。初期費用は県営住宅よりも割安で、入居しやすくなっています。
今ならフリーレント(家賃無料)や引っ越し補助のキャンペーンも受けられます。
※ビレッジハウスも住宅セーフティネットに登録されています。
▼ビレッジハウスのお部屋探しはこちらから
敷金なし・礼金なし・更新料なし・全国47の都道府県に100,000室以上!
メモ
県営住宅(またはそれに準ずる市営・町営・村営住宅、、公営住宅、団地)は、全国の都道府県(47都道府県のリスト:北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)や市町村にあります。