県営住宅や市営住宅は、収入がなくても(無職・無収入・低所得・生活保護でも)応募できるのでしょうか? また、入居できる年収はいくらまでなのでしょうか?
実際の体験談をまじえて説明します。
県営住宅は収入がなくても入居できる
県営住宅や市営住宅は、入居条件が一般賃貸とは違っています。
一般賃貸の場合は、一定の収入がないと借りることができません。
けれども、県営住宅や市営住宅は一般賃貸とは逆で、収入の上限が決められています。これは、県営住宅が住宅に困っている低所得者のためにあるものでからです。
県営住宅の世帯収入の月額が158,000円以下⦅高齢者世帯や障がい者世帯などは214,000円以下⦆であることは、重要な条件となっています。
(住宅供給公社などが提供する県営住宅の場合、部屋の家賃により収入の上額に幅があります)
というのも、県営住宅や市営住宅は、「住宅に困っている」「低所得者」のための住宅だからです。


体験談
メモ
【ペンネーム春鹿さんの場合】
2023年に奈良県営住宅に入居。入居手続き当時は年金のみ受給。その年金も少なめで満額ではなかった。無職だったが、無事入居することができた。
入居手続き時、「家賃は支払えますか?」「仕事はする予定ですか?」などの質問がくるかなと心配したが、詮索されるようなことは一切なかった。
「貯金があるのか?」なども、まったく聞かれなかった。(以上、聞き書き)
※無職の場合は、離職証明書、年金収入の場合は、年金証書の提出が必要です。
それって本当なのでしょうか?
無職や無収入、低所得でも入居できると聞いても、本当なのかなと不安になる方もいるでしょう。
実際、県営住宅の入居条件をみても、無職や無収入、低所得、生活保護でも入居できるとは書かれていません。
が、上記の図(拡大してみてください)をよくみると……。(上記は、ある県の県営住宅の家賃を計算。決定するための収入区分)
「収入区分①」の基準月収額が「0 - 104,000」となっています。これは、収入が0円から104,000円までの人の家賃を計算するという意味です。
「0 - 104,000」は、「0円~104,000円」を意味しています。これは、収入が0円でも入居の資格があるという意味です。
県営住宅などの団地は、住宅セーフティーネットの役割もあるので、一般賃貸だと契約がむずかしい人でも入居ができるように、考慮されているようです。
住宅セーフティネットとは?
住宅を確保するのがむずかしい人々を支援する制度。高齢者や障害者、子育て世帯、低所得者、ひとり親家族、高齢単身者など、住宅の確保に配慮が必要な人を「住宅確保要配慮者」として、その入居を拒まない賃貸住宅のことをいう。
家賃の軽減も受けられる
余談ですが、収入が低い場合は、その収入額にともなった家賃の軽減(減額)が受けられます。これは、入居途中で収入が減ったときなどにも適用されます。
体験談
メモ
【ペンネーム春鹿さんの場合】
入居手続きに収入に関する書類を提出した。そのときに、この年金額なら家賃の軽減が受けられると説明を受けておどろいた。もともと自分が支払える家賃の住戸に申し込んでいたとはいえ、予測していなかった軽減措置はありがたかった。(以上、聞き書き)
県営住宅の入居条件まとめ
県営住宅の入居条件の、代表的なものをあげておきます。
収入について
世帯の収入月額が158,000円以下⦅高齢者世帯や障がい者世帯などは214,000円以下⦆であること
年収はいくらまで?
入居できる世帯年収は、上記の月額をもとにすると……。
158,000円×12で1896,000円。高齢者世帯や障がい者世帯などは214,000円×12で2568,000円となります。
住宅が必要である状態か
住宅に困っていること(=持ち家がある方は入居不可。「住宅困窮要件」とも言う)。”困っている”が、どのような状態なのかあいまいですが、県営住宅に転居したい(=家賃を節約しながら暮らしたい)という理由で問題ないようです。
補足として。自分で持ち家がないこと、現在県営住宅に住んでいないことも条件になります。県営住宅に住んでいる人が、別の県営住宅に応募して引っ越すことはできません。
体験談
メモ
【ペンネーム春鹿さんの場合】
自分の場合は、家賃が安い部屋に住みたかったので応募した。入居資格の「住宅に困っている」については、収入やそれまでの住居の状況などから総合的に判断されるようだった。どのように困っているのかなどの具体的な質問はされなかった。(以上、聞き書き)
県内(市内)に居住していること
県内(市内)に居住していること。(在住・在勤要件。市営住宅などは、居住期間などが条件になることもあります)
暴力団員ではないこと
暴力団員ではないこと。これは、一般賃貸と同じですね。
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居住地域により、多少のちがいはあるかもしれませんが、上記が代表的な県営住宅への入居条件となります。
問い合わせ先は?
県営住宅に関する情報は、居住する都道府県のホームページ、市営住宅(町営・村営住宅)に関する情報は、居住する市町村のホームページで見ることができます。
募集時期になるとパンフレットが配布され、もよりの役所の「建築住宅課」などでもらうことができます。※パンフレットは、募集期間中のみの配布です。
まとめ
県営住宅は収入がなくても(無職・無収入・低所得・生活保護でも)入居できるかどうかについて説明しました。
県営住宅や市営住宅など、公営の賃貸を借りるのは、抽選などもあることからハードルが高く感じることもあるかもしれません。が、ひとつひとつ確認しながらすすめていけば大丈夫です。
参考にしてみてください。
条件があわずに県営住宅に応募できない場合は?
世帯の所得が15万8千円を超過するなどで、県営住宅入居の条件にあわない場合は、広めの間取りで比較的家賃が割安な「UR賃貸住宅」や「ビレッジハウス」などを検討してみるのもいいでしょう。「セーフティネット住宅」「公社賃貸住宅」で検索してみるのもおすすめです。
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メモ
県営住宅(またはそれに準ずる市営・町営・村営住宅、公営住宅、団地)は、全国の都道府県(47都道府県のリスト:北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)にあります。
県営住宅は年に4回の空き家募集があります。希望する住戸に応募し、抽選で当たると入居することができます。